アレックス・ペレイラは1987年7月7日、ブラジルのサンパウロ近郊、サン・ベルナルド・ド・カンポに生まれました。
バチスティーニというファヴェーラ(貧困地区)で育ち、中学を中退して働き始めています。
父の左官の手伝い、靴磨き、バラ売りを経て、最後はタイヤ修理店に落ち着きました。
少年時代には、1歳ほど上の兄アンジェロを17歳で亡くしています。
ペレイラ自身は12歳で飲酒を覚え、アルコール依存が仕事にも響くようになりました。
2009年、21歳でキックボクシングを始めたのは、その依存を断つためです。何度も失敗を重ね、2012年末に酒をやめました。
最初の師ベロクア・ウェラのジムで、格闘技の才能が見つかっています。
ボクシングでもアマチュアで28試合を戦い、25勝(すべてKO)3敗と伝えられています。
プロボクシングは2017年6月に1試合だけで、3ラウンドTKO勝ちです。
グローリーで2階級の王者に
キックボクシングでは2012年にジャングル・ファイトのミドル級王者になり、2013年にはWAKOのアマチュア世界選手権で銀メダルを獲得しました。
グローリー初出場は2014年3月で、ザグレブのミドル級コンテンダー・トーナメントに優勝しています。
最も知られる試合は、イスラエル・アデサニヤとの2戦です。
2016年4月に判定で勝ち、2017年3月には3ラウンドに左フックのカウンターでKO勝ちしました。
2017年10月にはグローリー46でサイモン・マーカスに判定勝ちしてミドル級王座を獲得し、ユスリ・ベルガルーイ(2度)、マーカス、ジェイソン・ウィルニス、エルトゥールル・バイラクを退けて防衛しました。
2019年9月には、ドネギ・アベナにKO勝ちして暫定ライトヘビー級王座に就き、グローリー史上初の2階級同時王者になりました。
2021年1月にはアルテム・ヴァキトフに判定勝ちして正規王者になっています。
同年9月の再戦では多数決判定で敗れ、王座を失いました。
キックボクシングの通算成績は33勝7敗(21KO)です。
MMA転向とUFC入り
MMAのデビューは2015年10月で、ジャングル・ファイトでケムエル・オットーニに3ラウンドでリアネイキドチョークを決められて敗れました。
その後はジャングル・ファイトで2連勝し、2020年11月にはLFAでトーマス・パウエルを1ラウンドでKOしています。
UFCとの契約は2021年9月です。同年11月のUFC 268でアンドレアス・ミカリディスに2ラウンドTKO勝ちしてデビューしました。
2022年3月にはブルーノ・シウバに判定勝ち、同年7月のUFC 276ではショーン・ストリックランドを1ラウンドでKOしています。
アデサニヤを下してミドル級王者に
2022年11月12日のUFC 281(マディソン・スクエア・ガーデン)で、ペレイラはアデサニヤの持つミドル級王座に挑みました。
終盤の5ラウンド2分01秒にTKO勝ちして、王者になっています。
MMAの8戦目で王座に達した選手は、ブロック・レスナーに次ぐ早さです。
2023年4月のUFC 287(マイアミ)では再戦でアデサニヤに2ラウンドでKO負けし、王座を失いました。
ペレイラは当時、階級の中でも体が大きく、ミドル級では試合当日に約215ポンド(約97.5キロ)まで戻していたと語っています。
その後ライトヘビー級に転向します。
ライトヘビー級で2度戴冠
ライトヘビー級の初戦は2023年7月のヤン・ブラホビッチ戦で、判定で勝ちました。
11月のUFC 295(マディソン・スクエア・ガーデン)では、空位の王座をかけてイジー・プロハースカと戦っています。
2ラウンド4分08秒にTKO勝ちし、UFCでミドル級とライトヘビー級の両方で王座に就いた初の選手になりました。
UFCの記録としては、2階級制覇までの期間(736日)と試合数(7戦)が最短です。
最初の防衛戦は2024年4月のUFC 300で、ジャマハル・ヒルを1ラウンドに左フックでKOしました。
6月のUFC 303では、負傷したコナー・マクレガーの代役として2週間前に決まったプロハースカとの再戦に出て、2ラウンド13秒に勝っています。
10月のUFC 307ではカリル・ラウントリーJr.を4ラウンドにTKOしました。
3度の防衛を175日で達成し、UFC史上最短の記録です。
2025年3月のUFC 313では、マゴメド・アンカラエフに判定で敗れて王座を失いました。
メディアの採点は21社のうち11社がアンカラエフの勝ちとしています。
同年10月のUFC 320の再戦では、1ラウンド1分20秒にTKO勝ちして王座を取り戻しました。
ファイトスタイル:ローキックと左フック
ペレイラのスタイルは、グローリーで磨いたキックボクシングが土台です。
落ち着いた構えから間合いを詰め、ローキックで相手の動きを鈍らせたうえで強打を狙います。
手数は多くありませんが、ほとんどの打撃にKOを狙う意図があります。
代名詞は左フックで、相手が踏み込んできたところに合わせるカウンターでも何人もを沈めてきました。
UFCの統計では、有効打の命中率が61.36%で、1000発以上を打った選手のなかでUFC歴代2位です。
ライトヘビー級の中では歴代1位の64.3%とされています。
MMAに入った頃は組み技の経験が少なかったものの、プリニオ・クルスと元王者グローバー・テイシェイラの指導で、テイクダウンディフェンスとクリンチが向上しました。
ヘビー級への挑戦と現在
2026年2月、ライトヘビー級の王座を返上しました。
UFCの3階級目の王座を狙って、同年6月14日のUFCフリーダム250(ホワイトハウス)で、暫定ヘビー級王座をかけてシリル・ガンと戦っています。
ヘビー級の初戦でしたが、2ラウンド1分27秒にTKO負けしました。
ペレイラは試合後、ガンが後頭部を何度も打ったのにレフェリーのハーブ・ディーンが対応しなかったと批判しています。
その後、UFCはガンとジョシュ・ホキットのヘビー級タイトル戦を組みました。
ペレイラは即時の再戦を求めましたが、実現していません。
私生活での問題
UFCに入る前、ペレイラは元妻への家庭内暴力で有罪になり、ブラジルで18日間の刑に服したと報じられています。
2024年と2025年にはそれぞれ別の女性から性的暴行などで訴えられ、ペレイラは否定しています。
一方で、サンパウロに設立した「インスティトゥート・ポアタン」では、格闘技や英語、パソコンを無料で教えています。
2025年9月の本人の発言では登録者が700人を超え、2026年にはUFCのフォレスト・グリフィン地域貢献賞を受けることが発表されました。
まとめ:キックボクシングとMMAの両方で2階級の王者
グローリーで2階級王者、UFCではミドル級とライトヘビー級の王者になった選手です。
UFCのMMAは17戦13勝4敗で、KO・TKO勝ちは11です。
MMAに転向してからのわずかな期間で2階級制覇を達成した一方、アデサニヤ、アンカラエフ、ガンには敗れています。











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